April 19, 2012

JBJJF会長・中井祐樹インタビュー[2012年4月] part.3

JBJJF会長・中井祐樹インタビュー[2012年4月] part.3

取材:JBJJF広報部

JBJJF
会長・中井祐樹に訊く、日本におけるこれからのブラジリアン柔術。インタビュー最終回をお届けする。

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今後のビジョンを熱っぽく語ってくれた中井会長

ーー日本における競技レベルにつていはどのようにお考えですか。
非常に高くなっていると思います。最近では道場運営者、指導者ではない “競技者専門の黒帯” も増えている時代だけに、今後世界を獲る一つの鍵になるのでは、と個人的には思っています。それほど日本のブラジリアン柔術界は充実してきました。
しかし世界各国も無論、成長している。世界柔術(=世界選手権)では日本の選手が苦戦しているという印象は否めません。強化のためには日本国内の試合をもっと活性化させねば、という思いもあります。

ーー去年からは、年間を通してのランキング制度もスタートしましたね。
大会毎に入賞者にポイントを与え、年間トップを選出するシステムを作りました。選手たちがより鎬を削り合い、切磋琢磨して世界に羽ばたいてもらいたい。
野球と同様に年間を通して王座を争うペナントレースですね。
それは全日本選手権で優勝する全日本王者とある意味で同等の価値があると思っています。各大会に意味を持たせ、活性化させていく。大会が一年間連なっているというイメージを持っていくことが重要ではないかと考えています。将来的には青帯選手にも波及していきたいという考えはあります。青のトップ選手は、将来的に黒のトップになる可能性も高いわけですから。

ーー日本国内で揉まれた選手が世界で戦うのをサポートをしていく、と
(※上位者には世界柔術への航空チケットが贈られる)
はい。我々が送り出した選手というイメージでしょうか。
IBJJF主催の最高峰大会・世界柔術ですが、過去の世界王者、ブラジル選手権王者、パン選手権王者、ヨーロッパ選手権王者、そしてアジア選手権の王者が、シード枠が与えられるようになっています。そのために、現状は2年に一度のアジア選手権ですが、状況が整い次第、毎年開催することを目標にしています。アジアでトップを獲れば世界柔術でシードされ、世界王者やメダリストにより近付けるということになる。世界柔術のシード枠を勝ち取るためにも、ヨーロッパ選手権やアジア選手権など海外の大会にも積極的に出るような選手も増えてくるでしょう。是非、日本の選手にも世界レベルを感じて成長してほしい。
(※2012年のヨーロッパ選手権黒帯の部で優勝した、JBJJF・ID所持選手は、芝本幸司(ルースター級)と、ホベルト・サトシ・ソウザ(ライト級)。この二名は世界柔術でのシード枠に入ることとなる)

ーー中井会長が考える、世界でトップを獲るために必要なこととはなにでしょうか。
結局のところ、世界各地のどこででも試合に出ている選手が勝っている印象があります。例えばハファエル・メンデス選手とフーベンス・シャーレス・コブリーニャ選手。この2人は、道衣あり・なし、IBJJFの公式戦・非公式戦を問わず、世界各地で何度も戦いお互い切磋琢磨している。これは非常にタフです。
柔道に例えるなら、山下泰裕先生と斎藤仁先生の関係がありました。最初、齊藤先生は山下先生になかなか叶わなかったのですが、何回も何回も対戦を重ねるうちに最終的には限りなく互角、勝つところまで近付くことができた。それでも最後の対戦も判定で山下先生が勝利したのですが…。話がちょっとマニア寄りになりましたね(笑)。
ブラジリアン柔術においても、日本人選手が最初はメンデス選手に一本負けでも、十回やれば追いつけると思います。世界のトップ選手と戦うことに慣れなければならないというのは、世界で戦った人間ならば判るはず。日本では生活・練習環境を含め厳しいとは思いますが、世界の頂(いただき)に立つためには可能な限り挑戦してほしいです。

ーー今後の展望をお聞かせください。
世界柔術の出場選手は年々増え続けています。世界柔術をはじめその他の国際大会には、世界中から国境を越えて多くの選手が集まっています。IBJJFの方針で、大きな賞金や報酬は与えられることはありませんが、基本的にメダルと名誉のためだけにです。これほど世界中から多くの人を惹きつけ、そして競い合っている。これをぶれずに継続するのはすごいことだと思います。我々もそれに倣って突き進みます。まず大会を着実に運営していくことが一つ、地方でも大きな大会をしっかり開き定着させたい。あとはIBJJFのルール(競技規則)運用や大会運営のあり方・マナーについても、しっかりと範を示し、普及させていくことが重要だと思っています。
まずルールについてですが、正式ではない情報、不確定な情報、誤解、誤認などが、憶測のまま流通してしまっていることがあるようです。
それらに対しては、適切な情報を発信していかなければならないと考えています。またIBJJFやJBJJFのレギュレーションやシステムについても同様のアナウンスが必要だと感じます。
そしてマナーについてですが、実は近頃「ブラジリアン柔術の大会には会場を貸したくない」という体育館が増えています。
JBJJFの主催大会では
勿論徹底しているのでそのようなことはありませんが、他の運営大会において、会場内での乱闘、放置される大量のゴミ、土足で会場内を歩く、会場付近での違法駐車、などが問題になっているようです。
例え、アンオフィシャルな団体、民間、個人が開催した大会であっても、同じくブラジリアン柔術を名乗れば、体育館側は、同じ競技として認識してしまいます。
他の大会をことさら責めることはありませんが、我々はしっかりした大会運営を行い、これこそがブラジリアン柔術だ、という規範にならなければならない。このしっかりした大会運営ができるJBJJFが "ブラジリアン柔術です” と
競技者、世間にも伝えなくていけない段階に来ているのかと。日本のブラジリアン柔術は素晴らしい競技だと認めてもらうため、広めるために、我々は邁進していきます。
 
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以上で、JBJJF会長・中井祐樹インタビュー[2012年4月版]を終了する。
広報部取材班では今後、中井会長のインタビューシリーズや、審判部によるルール解説、大会レポート、 選手紹介などの記事を制作予定。乞うご期待。

Posted by jbjjf at 00:45│ インタビュー